野菜を育てる

自分で育てると野菜の顔が見えてくる(1)

某栄養大学では創立以来、全学生が野菜作りを体験してきました。「生き物が育っているところを知らずに学問をしても、頭と心がアンバランスになるだけ」という創設者の学長の考えに基づくものです。学生数も学科も増えた現在は、選択科目になってはいますが、「農園体験」の授業はずっと続いています。この農園で、「土などいじったことがなかった」という学生たちを36年以上も指導しているのが山口さんです。池袋から東武東上線で40分ほどの若莱駅近くにある農園にわれわれはおじゃましました。周辺にはマンションやショッピングセンターが立ち並ぶ、いわば街中の農園です。しかし、まるで畑の中は別世界。3月上旬、立派に育った冬野菜やほくほくと耕されたから春の香りと息吹が感じられ、ゆったりとした時間が流れていました。「農園体験」を選択した学生たちは1m×2mの、畳1枚よりやや広い畑が与えられ、ジャガイモ組、サツマイモ組、冬野菜組に分かれて、それぞれの時期に適した野菜を育てるそうである。ジャガイモは春に地表から5mほどの深さに種芋を柿え込むのだが、しばらくの間は葉も茂ることがない。

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